【繋がる、紡ぐ、存在。#1】自然栽培農家・西村農園を訪ねて
学びを受け継ぐ、西村農園の畑から

リガレッセの食卓に並ぶ野菜は、どこから来るのか。
リガレッセの畑は、もともと耕作放棄地だったことをご存じでしょうか…



2026年 5月29日、兵庫県養父市にある「西村農園」を訪ねました。
自然栽培ひとすじのベテラン農家の西村さん。じつは、リガレッセの農園は西村さんなしには始まりませんでした。看多機の裏手にある、かつて耕作放棄地だった土地。その開拓を支え、土づくりから植え付けまで、たくさんの知恵を授けてくださった方です。
今回うかがった目的は、いちじくとナスの苗を譲っていただくこと。
畑には、品種ごとに手書きの名札を添えられた若いいちじくの木が、ずらりと並んでいました。葉の合間には、これから熟していく小さな実。4品種、8本の苗を、6月に受け取らせていただくことになりました。それまでに、西村さんが1本ずつ土から掘り出してくださるそうです。
— — この8本が、リガレッセの畑でどう育っていくのか。その話は、いつかの畑で。



畑を歩きながら、西村さんが教えてくれる話のひとつひとつに、長年の積み重ねがにじんでいました。
西村農園では、鶏も飼われています。その餌は、畑で採れた野菜が種になったもの。さらに、地域のそば屋やうどん屋から、出汁をとったあとの鰹節や昆布を分けてもらい、肥料に変えたり、鶏の餌にしたり、土に還したりしているそうです。化学肥料、農薬、除草剤は、いっさい使わない。畑と鶏と地域が、ぐるりと一つの環でつながっている——本当の意味での循環が、ここにありました。

この冬、西村農園は大きな痛手を負ったといいます。重く湿った雪が降り積もり、ハウスが崩れてしまった。倒木で道もふさがれ、除雪車も入れず、歩いて畑に通った日もあったそうです。それほど大変な時期に、私たちを畑に迎え入れ、苗を分け、惜しみなく知恵を授けてくださいました。頭が下がる思いです。

西村さんは、地域の保育園とも長くつながっています。トマトの苗づくりから始め、子どもたちと一緒に植え付けや収穫を重ねていく。育てる喜びを、次の世代へと手渡している姿がありました。
そして、別れ際。西村さんが、ある保育園で起きた「ちょっと不思議な話」を聞かせてくれました。給食が変わっただけで、ある人の体に、思いがけない変化が起きたのだといいます。
——その話は、このシリーズのもう少し先でお話しします。
西村さんから受け継いだ学びは、いまリガレッセの農園で静かに根を張りはじめています。
畑から食卓に繋がる。
そんなストーリーは続きます。

※本記事は、自然栽培農家「西村農園」(兵庫県養父市)を訪ね、苗木の譲渡と栽培の学びを目的に視察した記録です。リガレッセの農園づくりを長年支えてくださっている西村農園さんに、心より感謝申し上げます。